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木花咲耶姫(このはなさくやひめ)は何の神様?ご利益・家系図・神話・富士山との関係 | 神様図鑑

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは、富士山の女神として広く知られ、安産・子育て・火難除けなどの信仰を集める神様です。神話では山の神・大山津見神オオヤマツミの娘として登場し、天孫の瓊瓊杵尊ニニギと結婚します。

燃えさかる産屋の中で三柱の子を産んだ「火中出産」でも有名です。現在は全国の浅間神社を中心に祀られ、富士山、火、水、出産、繁栄など幅広い信仰と結びついています。

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目次

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは何の神様?

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは、富士山・浅間信仰を代表する女神であり、安産・子育て・火難除けなどを守る神様です。

『古事記』では大山津見神オオヤマツミの娘として登場し、地上へ降りた瓊瓊杵尊ニニギの妻となります。その名前には、木の花が咲き栄えるような繁栄が込められています。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメを特徴づける神話が「火中出産」です。一夜で身ごもったことを瓊瓊杵尊ニニギから疑われた木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは、戸口を塞いだ産屋に入り、自ら火を放ちます。その炎の中で三柱の子を無事に産みました。

この伝承から、安産・子育て・火難除けなどの信仰と深く結びついています。現在の浅間神社でも、安産や子安、火防などを木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの御神徳として挙げる神社があります。

また、『日本書紀』の一書には、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメにあたる神吾田鹿葦津姫カムアタカシツヒメが、神聖な田で収穫した稲を使って天甜酒を造る話があります。この伝承から、酒造と結びつけて祀られる例もあります。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメはなぜ富士山の女神になった?

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメが富士山の女神になったのは、火の中で無事に子を産んだ神話から、火を鎮める力を持つ女神と考えられ、近世に富士山の神である浅間大神アサマノオオカミと同じ神として祀られるようになったためです。

富士山では、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメへの信仰より先に、富士山そのものに宿る神への信仰がありました。奈良時代から平安時代にかけて富士山がたびたび噴火すると、人々はその激しい力を恐れ、富士山の神を浅間大神アサマノオオカミと呼んで噴火が鎮まるよう祈りました。

その後、仏教と山岳信仰が結びつくと、富士山では浅間大菩薩センゲンダイボサツや大日如来なども信仰されるようになります。時代によって富士山の神はさまざまな姿や名前で捉えられてきました。

大きな変化が起きたのは近世です。17世紀初頭ごろから、『古事記』『日本書紀』に登場する木花咲耶姫コノハナサクヤヒメと富士山の神を同じ神とする考えが広がっていきました。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメには、一夜で身ごもったことを瓊瓊杵尊ニニギから疑われ、自ら産屋に火を放ち、燃えさかる炎の中で三柱の子を無事に産んだ神話があります。この火中出産の物語から火を鎮める力を持つ女神と考えられ、噴火する富士山を鎮める浅間大神アサマノオオカミと結びついていきました。

江戸時代を通してこの信仰は広がり、やがて木花咲耶姫コノハナサクヤヒメを富士山の神として祀る形が定着しました。現在の富士山本宮浅間大社でも、主祭神の木花之佐久夜毘売命コノハナノサクヤヒメを「浅間大神アサマノオオカミ」の別称で案内しています。

つまり、古くから富士山で祀られていた浅間大神アサマノオオカミへの信仰に、火中出産の神話を持つ木花咲耶姫コノハナサクヤヒメが重ねられ、現在の「富士山の女神・木花咲耶姫」という信仰につながっています。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの別名・異表記

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメには、『古事記』『日本書紀』で複数の名前や表記が伝えられています。

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区分 別名・異表記
『古事記』 神阿多都比売カムアタツヒメ、木花之佐久夜毘売コノハナノサクヤビメ、佐久夜毘売サクヤビメ
『日本書紀』 木花之開耶姫コノハナノサクヤヒメ、木花開耶姫コノハナサクヤヒメ、神吾田津姫カムアタツヒメ、神吾田鹿葦津姫カムアタカシツヒメ、鹿葦津姫カシツヒメなど
信仰上の呼称 浅間大神アサマノオオカミ、酒解子神サカトケコノカミなど

『古事記』では「木花之佐久夜毘売コノハナノサクヤビメ」と「神阿多都比売カムアタツヒメ」という名前が使われています。「佐久夜」は「咲く」に通じ、「木花之佐久夜毘売コノハナノサクヤビメ」という神名は、花が咲き栄えるような繁栄と結びついています。

「木花」を桜の花と見る説もあります。一方で、特定の花を指す言葉ではなく、木に咲く花そのものを表すという見方もあります。

現在の浅間信仰では桜とのつながりが強く、富士山本宮浅間大社でも桜が御神木とされています。

浅間大神アサマノオオカミは富士山信仰の中で木花咲耶姫コノハナサクヤヒメと重ねられてきた神名です。また、京都の梅宮大社などでは、酒解子神サカトケコノカミを木花咲耶姫コノハナサクヤヒメとして祀る信仰があります。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの御神格・ご利益・ご神徳

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは、富士山を中心とする浅間信仰と、火中出産の神話から生まれた信仰の両方を持つ神様です。安産・子育て・火難除けを中心に、水や農業、家庭、酒造などとも結びついています。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの御神格

御神格 富士山・浅間信仰の女神、安産・子育ての神、火難除けの神、水徳の神、繁栄を象徴する神、酒造に関わる神

富士山の女神という神格は、現在の木花咲耶姫コノハナサクヤヒメを代表するものです。古くから祀られてきた浅間大神アサマノオオカミと木花咲耶姫コノハナサクヤヒメが近世に強く結びつき、現在の浅間信仰へ受け継がれています。

安産・子育てと火に関する神格は、火中出産の神話に由来します。炎の中で三柱の子を無事に産んだことから、出産を守り、火の災いを鎮める神として信仰されています。

また、富士山の雨や雪は地下へ浸透し、各地で豊かな湧水となります。浅間信仰の中では、この水の恵みも木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの神徳として受け止められてきました。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメのご利益

ご利益 安産、子宝、子育て、家庭円満、良縁、火難除け、農業守護、五穀豊穣、酒造繁栄など

代表的なのは安産と子育てです。燃えさかる産屋で三柱を産んだ神話から、無事な出産や子供の成長を願う信仰につながっています。

火中出産と富士山信仰から、火難除けや火防も代表的な願いとなっています。火を扱う神話と火山を鎮める信仰の両方が、現在の浅間神社に受け継がれています。

富士山の水が農地や人々の生活を支えてきたことから、農業や繁栄と結びつけて祀られる例もあります。

酒造との関係は『日本書紀』に残る天甜酒の伝承に見られます。現在も木花咲耶姫コノハナサクヤヒメを酒造に関わる神として祀る信仰があります。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメのご神徳

ご神徳 出産・子育ての守護、家庭の繁栄、火の災いを鎮める働き、水の恵み、農業や生活を支える働き

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメのご神徳は、祀られている神社によって異なります。

富士山本宮浅間大社では、家庭円満・安産・子安・水徳の神とされ、火難消除や農業などの守護神としても信仰されています。北口本宮冨士浅間神社では、安産・火防が代表的な御神徳として挙げられています。

富士山、火中出産、水の恵みという複数の信仰が重なり、現在の木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの幅広いご神徳につながっています。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの家系図・子供

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは、大山津見神オオヤマツミの娘です。姉に石長比売イワナガヒメがおり、瓊瓊杵尊ニニギと結婚して三柱の子を産みました。

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関係 神名・説明
父 大山津見神オオヤマツミ
姉 石長比売イワナガヒメ
夫 瓊瓊杵尊ニニギ
子 火照命ホデリ、火須勢理命ホスセリ、火遠理命ホオリ

子の火照命ホデリは、後の「海幸彦と山幸彦」の神話で海幸彦として登場します。三男の火遠理命ホオリは山幸彦として知られています。

火遠理命ホオリは海神の娘・豊玉毘売トヨタマビメと結ばれ、鵜葺草葺不合命ウガヤフキアエズが生まれます。鵜葺草葺不合命ウガヤフキアエズの子が、初代天皇とされる神武天皇ジンムテンノウです。

この系譜では、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは神武天皇ジンムテンノウの曾祖母にあたります。

姉の石長比売イワナガヒメとの関係も、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの神話では大きな意味を持っています。

父の大山津見神オオヤマツミは、瓊瓊杵尊ニニギから木花咲耶姫コノハナサクヤヒメを妻にしたいと求められると、姉の石長比売イワナガヒメも一緒に嫁がせました。石長比売イワナガヒメには岩のように長く続く命、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメには木の花が咲くような繁栄を託していたと『古事記』は語ります。

瓊瓊杵尊ニニギは木花咲耶姫コノハナサクヤヒメだけを妻としました。そのため、天孫の子孫は大いに栄える一方、命には限りがあるようになったというのが『古事記』に伝わる短命起源の神話です。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの神話・伝承

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメを代表する神話は、瓊瓊杵尊ニニギとの結婚と火中出産です。

美しい木花咲耶姫コノハナサクヤヒメと出会った瓊瓊杵尊ニニギは妻に迎えます。しかし、一夜で身ごもった木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは、夫から子供の父親を疑われました。木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは、自らの潔白を証明するため、燃えさかる産屋の中で出産します。

疑われた姫は燃える産屋へ――木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの火中出産

以下は、原典で確認できる出来事をもとに、現代の読み物として意訳・再構成しています。原文の逐語訳ではありません。

天から地上へ降りた瓊瓊杵尊ニニギが笠沙の岬を歩いていたとき、一人の娘が目に入った。風に揺れる衣の向こうに立つその姿は、思わず足を止めるほど美しかった。名を神阿多都比売カムアタツヒメ、またの名を木花之佐久夜毘売コノハナノサクヤビメという。

「あなたは誰の娘だ?」

瓊瓊杵尊ニニギに問われ、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは山を司る大山津見神オオヤマツミの娘だと答えた。さらに姉には石長比売イワナガヒメがいることも話した。瓊瓊杵尊ニニギは迷わなかった。

「私はあなたを妻にしたい」

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメはすぐには答えず、「父にお尋ねください」と告げた。その言葉を受けた瓊瓊杵尊ニニギが求婚すると、大山津見神オオヤマツミは大いに喜んだ。天から降りた尊い神が、自分の娘を妻に望んだのである。

大山津見神オオヤマツミは多くの贈り物を用意した。そして木花咲耶姫コノハナサクヤヒメだけでなく、姉の石長比売イワナガヒメも一緒に瓊瓊杵尊ニニギのもとへ送り出した。二人の娘には、それぞれ父の願いが込められていた。

ところが、瓊瓊杵尊ニニギは石長比売イワナガヒメの姿を見ると、妻として迎えることを望まなかった。石長比売イワナガヒメは父のもとへ送り返され、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメだけが残された。その知らせを受けた大山津見神オオヤマツミは深く嘆いた。

石長比売イワナガヒメを妻に迎えれば、天孫の命は岩のように永遠に変わらない。木花咲耶姫コノハナサクヤヒメを妻に迎えれば、その子孫は木の花が咲き誇るように栄える。大山津見神オオヤマツミは、その二つをともに天孫へ与えようとしていたのだ。

だが、残ったのは花だけだった。岩の永遠は失われた。こうして天孫の子孫は花のように栄える一方、その命もまた花のように限りあるものになったと『古事記』は語る。

それから間もなく、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの身体に変化が現れた。腹には新しい命が宿っている。それも、瓊瓊杵尊ニニギと一夜をともにした後のことだった。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは夫のもとへ向かった。腹に手を添えながら、もう出産の時が近いことを伝える。夫も当然、喜んでくれると思っていた。

「私は身ごもりました。もう、この子が生まれます」

だが、瓊瓊杵尊ニニギの表情は変わった。一夜をともにしただけで、これほど早く子ができるものなのか。その疑念は、やがて口から言葉となって出た。

「一夜で身ごもったというのか。その子は、私の子ではあるまい」

耳を疑う言葉だった。木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは夫の顔を見つめたが、その疑いが消える気配はない。さらに瓊瓊杵尊ニニギは、腹の子は国つ神との間にできた子ではないかと疑った。

愛した男から、自分の貞節を疑われた。これから生まれてくる子まで、夫の子ではないと言われた。胸の奥から、怒りと屈辱が一気にこみ上げてくる。

泣いて訴えても、疑う者の心までは変えられない。言葉だけで信じてもらえないのなら、疑う余地のない形で証明するしかない。木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは腹の子を抱くように手を当て、覚悟を決めた。

「この子が国つ神の子なら、無事には生まれないでしょう」

その目は瓊瓊杵尊ニニギから逸れなかった。

「けれど、この子があなたの子であるなら――どれほど激しい火の中でも、必ず無事に生まれます」

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは出産のための産屋を造った。中へ入ると、出入口を土で塗り固めて閉ざしていく。外へ逃げる道を、自分自身の手で消した。

薄暗い産屋の中で、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは一人だった。腹の奥では子供たちが生まれようとしている。息を整えながら、彼女は火を手に取った。

そして、産屋へ火を放った。

最初は小さかった炎が、乾いた木へ食らいつく。ぱち、ぱち、と木の爆ぜる音が響き、赤い火が壁を伝って一気に天井へ駆け上がった。わずかな時間で産屋の中は熱気に包まれ、煙が視界を曇らせていく。

熱が肌を刺した。息を吸えば、焼けた木の匂いと熱い空気が喉へ入り込む。その最中、腹の奥を引き裂くような強い陣痛が走った。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは身体を折り、痛みに耐えた。額から汗が噴き出しても、それが熱のせいなのか、出産の苦しみなのか分からない。周囲では炎が唸り、屋根から火の粉が降ってくる。

それでも出口へ向かうことはできた。

だが、逃げればすべてが終わる。自分を疑った夫に、腹の子まで疑われたままになる。木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは歯を食いしばり、その場に踏みとどまった。

「この子たちは――あなたの子よ」

誰に聞かせるでもなく、声が漏れた。その直後、さらに強い痛みが身体を突き抜ける。炎の中で、最初の子が生まれた。

火照命ホデリ。

産屋はまだ燃えている。一本、また一本と木材が赤く染まり、火の勢いは弱まらない。だが出産は終わらなかった。

二度目の激しい陣痛が襲う。身体から力が抜けそうになるたび、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは腹に残る命を意識した。ここで倒れるわけにはいかない。

炎の中で、二柱目の子が生まれた。

火須勢理命ホスセリ。

煙で目が痛む。熱気で息をすることさえ苦しい。それでも腹の中には、もう一柱が残っている。

最後の痛みが押し寄せた。木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは全身に残った力を振り絞る。燃えさかる産屋の中で、三柱目の子が生まれた。

火遠理命ホオリ。

三柱すべてが生まれた。

炎に囲まれながら、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは三柱の子を産み切った。夫に疑われた姫は、言葉で弁明するのではなく、自分と子供たちの命を賭けた出産によって、その疑いに答えたのである。

燃える産屋から生まれた三柱の命。それこそが、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメが突きつけた答えだった。

⇒【神道という不思議な信仰】『古事記』木花之佐久夜毘売・火中出産の原文はこちら

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの死因は?火中出産で亡くなった?

『古事記』が伝えているのは、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメが燃える産屋の中で火照命ホデリ・火須勢理命ホスセリ・火遠理命ホオリの三柱を無事に産んだところまでです。そこで木花咲耶姫コノハナサクヤヒメが命を落としたという展開は書かれていません。

『日本書紀』の一書にも火中出産が伝えられており、そこでは子供たちだけでなく母にも火による傷がなかったとする話があります。

一方、現代の一般書の中には、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメが火中出産で焼け死んだと説明する例もあります。こうした説明が広まったことが、「木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの死因」という疑問につながっていると考えられます。

古典神話では木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの最期や死因までは語られていません。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメゆかりの神社・祀られている神社

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメは、富士山を中心とする浅間信仰とともに各地で祀られています。

特に富士山周辺には木花咲耶姫コノハナサクヤヒメを祭神とする浅間神社が多く、火山を鎮める信仰、安産・子育て、火防、水の恵みなど、地域ごとにさまざまな信仰が受け継がれています。

富士山本宮浅間大社

静岡県富士宮市にある富士山本宮浅間大社は、全国にある浅間神社の総本宮とされる神社です。

主祭神は木花之佐久夜毘売命コノハナノサクヤヒメで、浅間大神アサマノオオカミという別称でも祀られています。富士山そのものを神聖な山として仰ぐ信仰の中心となってきました。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの火中出産にちなみ、家庭円満・安産・子安などの神として信仰されています。富士山の火を鎮める神として火難消除、山から生まれる水の恵みから水徳の神としても崇敬されています。

境内には富士山の伏流水が湧き出す湧玉池があり、富士山と水の信仰を現在も目にすることができます。

⇒富士山本宮浅間大社公式サイトはこちら

北口本宮冨士浅間神社

山梨県富士吉田市にある北口本宮冨士浅間神社は、富士山北麓を代表する浅間神社です。

木花開耶姫命コノハナサクヤヒメを富士山の女神として祀り、安産・火防を主な御神徳としています。父の大山祇神オオヤマヅミ、夫の瓊瓊杵尊ニニギもともに祀られています。

この神社は富士山の吉田口登山道とも深く結びついています。富士山へ登拝する人々が神社で祈り、山頂を目指してきた歴史があります。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメへの信仰と富士登拝が一つの場所で受け継がれてきた神社です。

⇒ 北口本宮冨士浅間神社のご利益・属性・見どころを詳しく見る

冨士御室浅間神社

山梨県富士河口湖町にある冨士御室浅間神社は、木花開耶姫命コノハナサクヤヒメを祀る浅間神社です。

富士山二合目に創建されたと伝わり、現在は河口湖畔に本宮と里宮があります。富士山の世界文化遺産を構成する資産の一つにもなっています。

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの火中出産にちなみ、良縁・子宝・安産・火防などの信仰があります。また、富士山の豊かな水と結びつき、繁栄や流通の神としても崇敬されています。

富士山の火、水、出産という木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの信仰をまとめて見ることができる神社です。

⇒冨士御室浅間神社公式サイトはこちら

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメが祀られている主な神社

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神社名 住所
箱根神社 神奈川県足柄下郡箱根町
静岡浅間神社 静岡県静岡市
河口浅間神社 山梨県南都留郡富士河口湖町
東口本宮冨士浅間神社 静岡県駿東郡小山町

静岡浅間神社の浅間神社では木之花咲耶姫命コノハナサクヤヒメを主祭神とし、安産・子授けなどの神として信仰されています。河口浅間神社でも木花開耶姫命コノハナサクヤヒメが祀られ、子の彦火火出見尊ヒコホホデミとその妻・豊玉姫トヨタマヒメの出産を祝う「孫見祭」という祭礼が現在も行われています。

参考・原典

木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの結婚、石長比売イワナガヒメとの関係、火中出産、三柱の子については、『古事記』上巻の瓊瓊杵尊ニニギと木花之佐久夜毘売コノハナノサクヤビメの神話を中心にしています。

『日本書紀』には、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメの異なる表記や火中出産の異伝、神吾田鹿葦津姫カムアタカシツヒメが稲から天甜酒を造る伝承などが残されています。

富士山との関係や現在のご神徳については、富士山信仰に関する公的資料と、木花咲耶姫コノハナサクヤヒメを祀る各神社の由緒・祭神情報をもとに整理しています。

⇒【國學院大學】木花之佐久夜毘売の神名・伝承はこちら

⇒【山梨県立富士山世界遺産センター】富士山信仰の歴史はこちら

⇒【国税庁】『日本書紀』にみえる酒造伝承はこちら

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