松尾大社の神社属性は、地属性です。
京都・嵐山の南にある松尾大社は、松尾山の山霊をまつる磐座(いわくら)から始まったと伝わる古社です。ご祭神の大山咋神(おおやまくいのかみ)は山を治める神なのですが、この神社で話をたどると、なぜか桂川、堰(せき)、用水路、米、酒へと進んでいきます。
山の神が水をおさえ、その水が田をうるおし、米が酒になる。松尾大社が酒造りの神として信仰されるのは、この順番があるからなんですね。
この記事ではそんな松尾大社についてご紹介いたします。まずは松尾大社の属性相性から見ていきましょう。

地属性の松尾大社と相性が良い属性・悪い属性

| 項目 | 属性 |
|---|---|
| 松尾大社の属性 | 地属性 |
| 相性の悪い属性 | 水属性・空属性 |
| 相性の良い属性 | 地属性・火属性・風属性 |
相性が悪い場合でも、行ってはいけない、悪いことが起きるということではないので安心してくださいね。神社属性の基本的な考え方や、地・水・火・風・空それぞれの特徴を知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
さて、ここからは松尾大社の基本情報と、普段の参拝では知ることができない話をご紹介していきますね。
松尾大社の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 京都府京都市西京区嵐山宮町3 |
| ご祭神 | 大山咋神、市杵島姫命 |
| ご利益 | 醸造守護、開拓・治水、商売繁盛、延命長寿など |
| 祭事 | 松尾祭、上卯祭・中酉祭など |
| 公式HP | →松尾大社の公式サイトはこちら |
松尾大社は、京都の西を守る神として古くから崇敬されてきた神社です。とくに酒、味噌、醤油、酢など、発酵や醸造に関わる人々から厚く信仰されてきました。
境内には亀の井という霊泉があり、酒造家がこの水を酒の元水に混ぜたと伝わります。嵐山の近くにありながら、観光のにぎわいから少し離れた、山と水の話が濃く残る場所なのです。
松尾大社にまつわる話
松尾山の磐座から始まった山の神
松尾大社の話は、社殿より先に山から始まります。現在の本殿が建つ前、松尾山の頂上に近い大杉谷の上部に磐座があり、そこに山の神をまつったのが始まりと伝わります。磐座とは、神が宿る岩や、神を迎える場のことです。社殿が建つ前の神社は、屋根の下に神を迎えるより、山や岩そのものに神を見ていたんですね。
この山の神が、大山咋神です。『古事記』では、大山咋神は須佐之男命(すさのお)の子である大年神(おおとしのかみ)の子として出てきます。またの名を山末之大主神(やますえのおおぬしのかみ)といい、近江の日枝山、今の比叡山と、山城国の葛野(かどの)の松尾に鎮座し、鳴鏑(なりかぶら)を使う神と語られます。
鳴鏑は、放つと音を立てる矢です。山の上にいる神が、音のする矢を持っている。静かな山の神というより、山の領域をはっきり示す神として出てくるのです。松尾山を背にした松尾大社に来ると、この神名の「山末」、つまり山の上のほうを治める主という言い方が、そのまま土地の形と重なって見えてきます。
大宝元年、秦忌寸都理(はたのいみきとり)が現在の地に神殿を営み、山上の神霊を山麓へ移したと伝わります。その娘の知満留女(ちまるめ)が斎女として仕え、秦氏の子孫が長く神職をつとめました。山の上にいた神が、里の暮らしの近くへ降りてくる。ここから、松尾大社の話は山から川へ向かいます。
秦氏が桂川をおさえ、米と酒の道を作った
松尾大社を語る時、秦氏(はたし)の名前は避けて通れません。五世紀ごろ、この地へ来住した秦氏は、松尾山の神を一族の総氏神として仰ぎ、桂川流域の開拓に関わったと伝わります。
葛野という古い地名も、このあたりの話に何度も出てきます。今の京都市西部、嵐山から太秦、桂の一帯を思うと、秦氏の仕事は神社の境内に収まらないのです。
社伝には、大山咋神が丹波国が湖だったころ、住民の願いによって保津峡を開き、その土を積んだものが亀山や荒子山、つまり嵐山になったという話があります。水が抜けて沃野(よくや)、作物を育てるよい土地ができる。神が山を削り、川の出口を開き、人が住める土地を作る話です。少し大きすぎる話に見えますが、桂川をおさえようとした土地の切実さが、神の仕事として語られているのでしょう。
秦氏は桂川に堤を築き、渡月橋の少し上流に大きな堰を作り、水を引きました。この大堰(おおい)という言葉が、大井という地名の由来にもなったとされます。水路は一ノ井、二ノ井と呼ばれ、今も境内を通っています。山の神をまつる神社の中を、古い用水の名を持つ水が通っているのです。
水をおさえると、田ができます。田ができると、米が取れます。米が取れると、酒が造れます。松尾大社が日本第一酒造神と仰がれる道筋は、いきなり酒の話から始まるのではなく、山、川、堰、田、米をひとつずつ通ってくるんですね。神さまが酒を飲ませてくれるというより、酒が生まれるための土地の仕組みまで抱えている神社なのです。
市杵島姫命が連れてくる海の道
もう一柱のご祭神が、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)です。市杵島姫命は中津島姫命(なかつしまひめのみこと)とも呼ばれ、宗像三女神(むなかたさんじょしん)の一柱として知られます。宗像の女神たちは、海上守護の神として古くから信仰されてきました。
『古事記』では、天照大神(あまてらすおおみかみ)と須佐之男命が天安河(あめのやすかわ)をはさんで誓約(うけい)をした時、須佐之男命の剣から女神たちが生まれます。神々の親子関係は、血筋というより、誰の持ち物から、どんな場面で生まれたのかが大きいんですね。市杵島姫命は、剣から生まれて、のちに水と航海の神として祀られる。水辺の女神なのに、生まれた場面には剣が出てくるのです。
松尾大社に市杵島姫命が祀られる背景には、秦氏の朝鮮半島との交易があったと伝わります。山の神である大山咋神に、海の道を守る女神が並ぶ。ここで、松尾大社の景色が一気に広がります。松尾山と桂川の神社でありながら、その向こうに半島との船の往来が見えてくるのです。
秦氏は土木や農業、絹織物、酒造りにも関わったと伝えられます。山をまつり、水を引き、米を作り、酒を造り、海の神にも祈る。松尾大社の二柱は、山に閉じた神と海に開く神が、ひとつの社で並んでいる形にも見えます。
松尾大社の小話や裏話、豆知識

急流は鯉、ゆるい水勢は亀
松尾大社の神使いは、亀と鯉です。大山咋神が山城と丹波を開くために保津川をさかのぼった時、急流では鯉の背に乗り、ゆるやかな水面では亀の背に乗ったと伝わります。
神さまが川を上るだけでもだいぶ力のいる話ですが、川の速さで乗り物を替えるのです。急な川筋には鯉、静かなところには亀。鯉は川をのぼる魚として出世開運の姿となり、亀は長寿のしるしとして不老長寿の姿となります。松尾大社の境内で亀や鯉を見る時、かわいい縁起物というより、神さまの川上りを手伝った生き物として見ると、急に働き者に見えてきます。
卯の日に始め、酉の日に終える酒造り
松尾大社には、酒造りに関わる上卯祭(じょううさい)と中酉祭(ちゅうゆうさい)があります。古くは卯の字が甘酒、酉の字が酒つぼを表すとされ、酒造りは卯の日に始め、酉の日に終えるならわしがあったと伝わります。
上卯祭は、秋に新米ができ、酒造りが始まるころに行われる醸造安全の祭りです。春の中酉祭では、酒造りが無事に終わったことを感謝します。干支の卯と酉が、動物のウサギとニワトリの話で終わらず、甘酒と酒つぼになる。文字の中に、酒蔵の暦が入っているんですね。
酒神の故事では、神代に八百万の神々が分土山、つまり松尾山に集まった時、まだ酒がなかったとされます。そこで松尾大神が山田の米を蒸し、御手洗の泉の水を汲み、大杉谷の杉で作った器を用いて、一夜で酒を造って神々をもてなしたと伝わります。山の米、泉の水、谷の杉。酒を造る材料が、全部この山まわりから出てくるのです。
松尾祭は、神輿が桂川を船で渡る
松尾祭は、神幸祭を「おいで」、還幸祭を「おかえり」と呼びます。神さまが本社を出て氏子の地域を巡り、三か所の御旅所にとどまり、二十一日目に戻ってくる祭りです。
この祭りでは、松尾七社の神輿や月読社の唐櫃(からひつ)が出て、桂川を船で渡ります。松尾大社の話で出てきた川が、ここでは祭りの道になります。神社の祭りというと、道を練り歩く姿を思い浮かべますが、松尾では神さまが川を越えるんですね。
還幸祭では、西ノ庄の粽(ちまき)や赤飯座(あかいざ)の特殊神饌が供えられます。本殿、楼門、神輿、神職の冠や烏帽子まで葵と桂で飾るため、古くから松尾の葵祭とも呼ばれました。葵と桂という植物まで出てきます。桂川を渡る祭りで、桂が飾られる。地名と植物と祭りが、同じ場所で顔を出すのです。
松尾大社の見どころ・パワースポット

松尾造りの本殿
本殿は見どころです。大宝元年に創建された後、たびたび改築や修理を受け、現在の本殿は室町期の建築を伝えています。屋根は両流造(りょうながれづくり)という特殊な形で、松尾造りとも呼ばれます。
本殿の特徴は、山の神をまつる社らしい力強さと、屋根の曲線のやわらかさが同じ建物にあるところです。向拝(ごはい)と呼ばれる正面の張り出しや、蟇股(かえるまた)と呼ばれる装飾もよく見ると細かく、参拝のあと少し離れて建物全体を見ると、左右へとのびる屋根の形がよく分かります。
亀の井と霊亀の滝
亀の井と霊亀の滝は、信仰上のパワースポットです。社殿の背後には御手洗川(みたらしがわ)が通り、霊亀の滝は四季を通して涸れない滝と伝わります。松尾山は別雷山(わけいかづちのやま)とも呼ばれ、山の水が境内に降りてくる場所なんですね。
亀の井は、霊亀の滝の手前にある霊泉です。酒造家はこの水を酒の元水として造り水に混ぜたと伝えられ、延命長寿や蘇りの水としても知られます。酒の神の神社で、水がご利益の中心にある。ここでも松尾大社は、酒の前に水を置いてくるのです。
霊亀の滝には、元正天皇の時代、首に三つの星、背に七つの星を負った不思議な亀が現れ、めでたいしるしとして年号が霊亀に改められたという話もあります。亀が出てくるだけなら長寿の話で終わりますが、年号まで動く。松尾の亀は、だいぶ大きな役目を背負っています。
松風苑三庭
松風苑三庭は、庭園としての見どころです。昭和の作庭家、重森三玲(しげもりみれい)が手がけた庭で、上古の庭、曲水の庭、蓬莱の庭の三つに分かれています。
上古の庭は、松尾山の磐座祭祀を庭で表したものです。中央の二つの巨石は二柱のご祭神を表し、まわりの石は従う神々を表すとされます。社殿が建つ前、山の岩に神を迎えていた時代を、境内の庭で見られるわけです。
曲水の庭は、平安貴族の遊びにちなむ庭で、蓬莱の庭は不老不死の仙界を思わせる池泉の庭です。松尾大社は、山の神をまつる古い信仰から、平安京の守護、武家の崇敬、近代の庭園までを境内に持っています。歩く場所を変えるたびに、同じ神社の時間の層が変わっていくのですね。
神社属性(繭気属性)の意味と考え方

神社属性とは、人が生まれ持つ「繭気」と、神社に宿るご神気との響き合いを、「五行」「五大」と「霊数」から読み解く考え方です。
「繭」という字が示すように、繭は内側の命を包み、守り、変化を育てるものです。人の気も同じように、魂や身体のまわりにまとわれ、その人がどのような場の気を受け取りやすいかに関わるとされています。
神社は、建物や神様だけでなく、土地の聖性、ご祭神の方向づけ、祭祀と崇敬の積み重なりによって成り立つ場です。
この考え方をさらに詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
あなたの属性の調べ方|計算方法
西暦の生年月日の数字を一桁に分け足します。合計が二桁になった場合も一桁になるまで続けます。次に血液型の数字を加えます。
A型は1、B型は2、AB型は3、O型は4です。
<例>1990年1月25日生 A型:1+9+9+0+1+2+5=27 → 2+7=9 → 9+1=8
最後に、出た数字を属性に当てはめます。
1・6は地属性、2・8は水属性、3・7は火属性、4・9は風属性、5は空属性。
計算が面倒な方や、すぐに自分の属性を知りたい方は、自動診断ツールをご用意していますので、お使いください。
属性別おすすめ神社

自分の属性に合う神社を探したい方は、ほかの属性別神社も参考にしてみてください。ここでは、各属性に相性の良い神社の一例をご紹介します。
全国の神社属性をもっと詳しく探したい方は、都道府県別の一覧もご覧ください。
